標榜診療科~需要と供給のマッチングから~

YOMIURI ONLINEより抜粋です

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070520ik01.htm

趣旨は患者が、自分がどの診療科にかかれば分かりにくいこともあるため、
現在ある38の診療科を26の基本診療科に集約し、一方で「総合科」などを新設するというものです。

診療科名とは、患者さんと医療提供者側を結びつける最も大きな情報になると思っています。
飲食店でいう「蕎麦屋」や「イタリアン」の看板等と同様に、
サービスの受け手(=患者)がそれを見ればどんなサービスを提供できるかが推察できるものですね。

では患者さん(及びその予備軍?)がどんな時に、
その標榜診療科を見て”選択を行う”必要性が発生するのでしょうか。

おそらく大きくは以下の3パターンだと思います。

①何らかの愁訴(頭痛や腹痛等)を感じており、自ら医療機関にかかる必要性を感じた
②健診等で検査・所見の異常があり、医療機関の受診を進められた
③何らかの事情で今受診している医療機関とは別の医療機関を探している

①・②のケースでは、どちらかといえば、紹介を基本とするような急性期病院ではなく、
クリニック及びクリニックに近い機能を持つ病院の対象患者という事になりますね。


これから①・②を念頭に述べますが、診療の流れからすると、

A)愁訴や検査値異常⇒B)病院にて確定診断(病名の確定)⇒C)治療開始

となります。診療科を選択する際の患者から見た問題としては、
A)⇒B)で、自分が何の病気か分からない、何の病気ならどの診療科か分からないという
二重の「分からない」が存在していることになります。

そのような分からない中で、
大抵のケースでは患者さんが自己判断で診療科を選んで受診していると予想されます。
例えば、患者さんに背中に痛みがあって整形外科を受診したら、
実は慢性膵炎だったなんてこともあり得るわけです。
場合によっては、患者さんが症状から診療科を全く想定できない事があります。

つまりいくら診療科を集約しても、患者さんに選択する必要性がある以上、
現状と同じ問題は常に発生する可能性があると考えられます。

医療提供者側から見ると、ある程度専門分化の中で診療技術を研鑽されてきているので、
どうしてもクリニックの先生方でも診療領域に強み(逆に言えば弱み?)があります。
同じ診療するのであれば、強み(の診療科)に関わる患者さんであって欲しいのは、当然のことですね。

医療提供者側としては”強み(の診療科)を表示したい”⇔患者側からは”選択が難しい”
の対立が発生していることになりますね。

あくまでも私見(極端な意見?)ですが、
診療科の表示を廃止するクリニックと専門性に特化するクリニックと表示の選択制をとれば
いいのではないかと思います。

診療科の表示を廃止するクリニックは、「ホームドクター」とかという名称にして、
とりあえずどんな患者さんも一旦受け入れ、振り分け機能に特化する。
そして、診療科の表示でなく紹介先の医療機関の表示を可能にするとか・・・・・。

一方専門性に特化するクリニックは、急性期や専門病院と同様に診療科名を表示し、
領域特化した治療を行っていく。